問題はSpotifyがApple Musicに対抗して生き残れるかどうかではなく、そもそもSpotifyが生き残れるかどうかだと思います。Spotifyは直接的な競合相手ですらないと思います（SpotifyユーザーがApple Musicに移行する可能性は低く、その逆も同様です）。 

Spotify には強力で忠実なユーザー層がおり、Apple Music 限定コンテンツが絶対に欲しいものでない限り、Apple Music に乗り換える可能性は低い。 

Spotifyの問題は、業界から大きな逆風に直面していることです。利益はゼロで、成長は著しく鈍化しています。コストは上昇しており、ユーザーの大部分が利用している無料サービスは、会社にもスタジオにも利益をもたらさないため、永遠に続くことはないでしょう。これは、人々にサービス料を支払わせるための、いわば「ロスリーダー」的な存在です。いずれは、Spotifyはサービスを停止するか、より厳しい制限や広告の増加といった大幅な変更を迫られることになるでしょう。スタジオの要求は高まり、競争は激化し、新規ユーザーの獲得は困難になるにつれ、成長と収益性はますます困難になるでしょう。

Spotifyには2,000万人の有料アカウントがあります。この数字は大幅に増加する必要があります。Spotifyは、より多くの無料ユーザーにアップグレードを促し始める必要があります。無料サービスを質を落とし（機能を削除し、広告を追加するなど）、有料サービスを強化すべきです。無料ユーザーの10%がアップグレードすれば、Spotifyは喜んで彼らを全員手放すでしょう。とはいえ、この2,000万人の有料ユーザーがどこかへ行ってしまうわけではありません。彼らはSpotifyに価値を見出しており、今後も利用を続けるでしょう。Spotifyは、サービスへの補助金を出すことに抵抗のないAmazon、Facebook、Googleなどの企業に買収される可能性が高いでしょう。 

Appleには、無視できない巨大な競争優位性があります。8億を超えるiTunesアカウントと10億人を超えるiOSユーザーです。Apple MusicはSpotifyからユーザーを奪うのではなく、これまでストリーミングサービスを利用したことのない人々に音楽ストリーミングを提供するのです。Appleはサービス開始以来、既に1500万人以上のユーザーを獲得しており、この数字は今後1年間でさらに急増するでしょう。AppleはSpotifyを無視しても勝利できるでしょう。これはゼロサムゲームではありません。 

Apple MusicとSpotifyの成功を議論する上で、バグや機能は基本的に無関係です。バグは修正され、機能は追加されるでしょう。製品の成功か失敗かは、ビジネス面の成否にかかっています。どちらの音楽サービスも、成功への道のりは長いと思います。Spotifyの問題は、その道のりに多くの障害があり、独立した企業として成り立たない可能性があることです。