Appleは2020年6月22日、MacをIntelプロセッサからApple Siliconプロセッサに移行する計画を発表しました。当時、同社は2020年末までにApple Siliconを搭載した「最初のMacを出荷」し、「約2年で移行を完了する」と述べていました。しかし、この2年間のロードマップは既に過ぎており、Appleはまだ移行を完了していません。私たちがまだ待ち望んでいるものについて、以下にご紹介します。

Apple Silicon移行のタイムライン

Appleが当初Apple Siliconへの移行をいつ完了させる予定だったのかについては、常に議論が続いてきました。WWDC 2020での最初の発表が移行の始まりだったと考える人もいました。このシナリオでは、Appleは理想的には2022年6月までに移行を完了できたはずです。

一方、Apple Siliconへの移行プロセスは最初のM1 Macの発表時に正式に開始されたと主張する人もいます。M1チップは2020年11月10日に正式に発表されました。同時に、AppleはM1チップを搭載したMacBook Air、MacBook Pro、Mac miniの新バージョンを発表しました。

11月の発表を移行プロセスの開始と捉えるなら、Appleは2022年11月までに全てを完了させる必要があったはずです。しかし、この期限も過ぎています。つまり、どの期限を基準にするかに関わらず、Appleは2年間の移行目標を達成できなかったことになります。

まだ何を待っているのでしょうか?

とはいえ、Appleは過去2年間でMacの圧倒的多数をApple Siliconに移行するという素晴らしい成果を上げてきました。MacBook Airなど一部の機種は、Apple Siliconへの移行だけでなく、同じ時期に新しいApple Siliconチップへのアップグレードも完了しています。

一方、MacBook Proなどの製品は、Apple Siliconの登場により、全面的な再設計が行われました。M1 ProおよびM1 Maxチップを搭載した新しい14インチおよび16インチMacBook Proモデルは、Intelの前モデルと比較してパフォーマンスが大幅に向上しているだけでなく、ポートの増加、ディスプレイの改良など、全く新しいデザインを採用しています。

MacBook AirのM2モデルは、従来のウェッジシェイプのフォームファクタを完全に廃し、デザインを一新しました。M1を搭載した24インチiMacも、驚くほど薄型のフォームファクタを備えた全く新しいデザインです。

そしてもちろん、Mac Studioもあります。Mac StudioはAppleにとって全く新しい製品であり、Macラインナップに加わる稀有な新製品です。Mac miniと並んで、よりパワフルで拡張された接続性を備えた選択肢として共存しており、多くの人にとって、Apple Siliconを搭載したMac Proの不足を埋めるものとなっています。

というわけで、現状はこうです。Mac Proを除くMacラインナップの全製品カテゴリーにApple Siliconのオプションが用意されています。3月のイベントで、Apple幹部のジョン・ターナス氏は、Apple Silicon搭載Mac Proの発表は「別の機会に」と予告していました。しかし、その日はまだ来ていません。

Apple Siliconを搭載したMac Proは、発表時には驚異的なパフォーマンスを発揮すると予想されています。噂によると、CPUコア数は24個と48個、グラフィックコア数は76個と152個から選択可能とのことです。また、最大192GBの統合メモリを搭載できるとも報じられています。

Apple Silicon Mac Proは2022年に発売されると噂されており、当初は2022年の発売が計画されていた可能性もありますが、現在では2023年初頭の発売になると予想されています。

現在、Macのラインナップには注目すべき点がいくつかあります。Apple Siliconを搭載した大画面iMacは存在せず、Appleは旧型のIntel搭載大画面iMacも販売していません。そのため、iMacの選択肢はM1チップを搭載した24インチiMacのみとなっています。

興味深いことに、AppleはIntelプロセッサを搭載したMac miniも引き続き販売しています。このマシンは近い将来に販売終了になる可能性が高いですが、一部の企業ユーザーにとっては依然として人気の高い選択肢となるでしょう。

9to5Macの見解

AppleはApple Siliconの完成という2年間の目標を達成できなかったが、それが本当に問題なのだろうか？いいえ、問題ではない。これまでのApple Siliconへの移行は実に素晴らしい成果であり、Apple Silicon搭載Mac Proがなかったからといって、この移行を「失敗」と見るべきではない。

視野を広く持ち、全体像を見ることも重要だと思います。Apple Siliconへの移行は、COVID-19パンデミックの発生からわずか数か月後の2020年6月に発表されました。それ以来、Appleのサプライチェーンは数々の混乱を経験しており、Apple Siliconへの移行にも間違いなく影響を与えています。

供給と生産が逼迫すると、AppleはどのMacを優先するかを決断せざるを得なくなります。Mac Proは間違いなく最下位に位置します。Appleのラインナップの中で最もパワフルなMacですが、MacBook AirやMacBook Proといった製品と比べるとニッチな存在です。もしどちらかを選ばなければならないとしたら、Appleは常にMac ProよりもMacBook AirとMacBook Proを選ぶでしょう。

Apple SiliconはAppleの全製品に搭載されています。プロセッサはそれぞれ名称が異なりますが、内部には多くの共通技術が採用されています。つまり、AppleはどのMacを優先するかを決めるだけでなく、iPhoneのシリコン需要も考慮する必要があるのです。そして、iPhoneこそが王者なのです。

皆さんはどう思いますか？Mac Proが未だにIntelチップ搭載版しか販売されていないのは問題でしょうか？コメント欄でご意見をお聞かせください。

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