ウィキリークスがヒラリー・クリントン陣営のジョン・ポデスタ選対本部長からのメールを継続的に公開していることで、Appleとティム・クック氏に関するいくつかの情報が既に明らかになっています。しかし、今回の公開にはApple幹部のリサ・ジャクソン氏からのメールも含まれています。これは、Appleが毎月何千回も政府とデータを共有していることを自慢し、暗号化されていてもAppleデバイスには法執行機関にとって魅力的な情報が残っていることを認めているため、Appleの顧客にとっては最初は少々衝撃的に感じられるかもしれません。

私たちは毎月何千回も、令状やその他の法的手続きに応じて、Appleのお客様とデバイスに関する情報を政府に提供しています。私たちには、これらの要請に24時間体制で対応するチームがあります。強力な暗号化によって、Appleが法執行機関にメタデータやその他の非常に有用なデータを提供することができなくなるわけではありません。

しかし、Appleデバイスは10億台以上あることを忘れないでください。このメールは、クリントン氏がテクノロジー業界における暗号化について意見を述べた後に送信されましたが、どれも私たちがこれまでに目にしてきたような内容ばかりです…。

メールの中でジャクソン氏は、暗号化とテクノロジー業界に関してクリントン氏が示した「原則に基づいた、かつ繊細な姿勢」に対してポデスタ氏に感謝の意を表している。このメールが送られたのは、Appleが物議を醸している英国捜査権限法案（この法案は、暗号化されたスマートフォンやiMessage、FaceTimeなどのサービスの鍵をAppleに保持させることを義務付けるもの）への反対を公に表明する準備をしていた時期だった。

しかし、メールを読み進めていくと、ジャクソン氏の意図がやや曖昧になってきます。ジャクソン氏は、Appleが政府に「Appleの顧客とデバイスに関する情報」を常に提供していると書いています。この記述から結論を急ぐのは簡単ですが、次の文が重要です。ジャクソン氏は、その情報は令状やその他の法的要請に応じて提供されていると説明しています。

しかし、これを過度に誇張しすぎないことが重要です。Appleとティム・クックCEOは長年、可能な限り法執行機関を定期的に支援していると述べてきました。しかし、Appleが政府支援に反対するのは、バックドアの作成を求められた場合です。サンバーナーディーノ事件をはじめとする様々な事件、そして英国の捜査権限法案もその例です。

さらに、Appleはウェブサイト上に、暗号化と顧客のプライバシーに関する透明性を強調するリソースを多数掲載しています。サンバーナーディーノ事件の際、Appleは暗号化に関するFAQページを公開し、令状には定期的に対応していることを明記しました。ティム・クック氏も公開書簡で同様の点を指摘しています。Appleは暗号化と政府による情報開示要請に関する透明性レポートも定期的に公開しています。

ここで注目すべき興味深い点は、ジャクソン氏のメールにおけるトーンが、Appleが公の場で示すトーンとは大きく異なっていることです。一般的に、Appleは公の場では「善玉」を装い、政府による情報提供要請への対応を控えめに表現する傾向があります。しかしジャクソン氏は、政府支援への「数千件」もの回答や、暗号化がAppleユーザーの情報隠蔽に役立たない様々な点について、まるで自慢しているかのようです。

ジャクソン氏は長年クリントン氏を支持しており、オバマ政権下では環境保護庁（EPA）長官を務めた。2013年からクリントン財団の理事を務め、クリントン氏の大統領選への出馬も支持している。

メールの全文は以下からご覧いただけます。

こんにちは、ジョン。昨夜、暗号化とテクノロジー分野に関して、長官が原則に基づき、かつ繊細な姿勢で示されたことに感謝の意を表したくご連絡しました。Appleの経営陣もその認識に間違いなく触れており、シリコンバレー全体にもそれが当てはまると確信しています。

Appleは今後も法執行機関との協力を継続いたします。市民への脅威に対する法執行機関の懸念を共有し、複雑な犯罪の解決に役立つデータに関する法的要請に応じるため、当局と緊密に連携しています。令状やその他の法的手続きに応じて、毎月数千件に及ぶAppleのお客様とデバイスに関する情報を政府に提供しています。Appleには、これらの要請に24時間体制で対応するチームがあります。強力な暗号化によって、Appleが法執行機関にメタデータやその他の非常に有用なデータを提供する能力が失われることはありません。

今夜、ティムとAppleは「60 Minutes」に出演します。暗号化と税金が取り上げられると予想されます。予告編では、ティムがAppleをはじめとする米国企業に対するEUの税務調査に強く反発しています。明日、英国の捜査権限法案に関するコメントを公表し、暗号化に関するメッセージをさらに強化します。

あなたとご家族、そして HRC ファミリーにとって、平和で楽しいホリデー シーズンと、実り豊かで明るい 2016 年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

リサ

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