2010年代が終わりに近づき、ニューヨーク・タイムズ紙は2010年代を振り返る記事を掲載しました。「テクノロジーが道を見失った10年」と題されたこの記事には、フィル・シラー氏の短い引用が掲載されており、iPadの起源と、その開発におけるスティーブ・ジョブズ氏の役割について解説されています。

iPadはAppleにとって2010年代の幕開けとなり、ジョブズ氏は2010年1月27日の特別イベントでこのデバイスを発表した。しかし、シラー氏は、このプロセスが本当に始まったのはジョブズ氏が1997年にAppleに戻った時だと説明する。この時点で、Appleは「Appleの品質と我々が求める体験」を備えた500ドル以下の「コンピュータデバイス」というアイデアで、自らを改革しようとしている最中だったとシラー氏は説明する。

ジョブズは、その価格を実現するためには「積極的に要素を削減する」必要があると指摘し、クラムシェル型デザインからの転換を示唆した。シラーは次のように回想する。

こうしてチームはマルチタッチ技術の開発に着手しました。その過程で、ヒューマンインターフェースデザイナーのBas Ordingが、スクロールするふりをすると画面全体がリアルな物理特性で上下に動くというデモを見せてくれました。まさに「うわっ！」という瞬間でした。

アップルがiPadプロジェクトに再び注目したのは、後にiPhone 3Gとなる製品の開発中だった。シラー氏は、iPhoneプロジェクトから学んだ知識を活かして、後に初代iPadとなる製品を開発するのは容易だったと述べている。

iPadに戻ってきたとき、iPhoneから何を取り入れ、何を変えればiPadのような製品になるのかを想像するのはとても簡単でした。本当に助かりました。

ニューヨーク・タイムズの記事全文はこちらでご覧いただけます。ティム・クック氏がAppleのCEOに就任した瞬間、ウォルト・モスバーグ氏のiPad初期の思い出、Siriの開発などについても触れられています。

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