Snow Leopardにおける数多くの「小さいながらも大きな」変更点の一つは、Appleが30年前にデスクトップパブリッシング革命が始まって以来使用してきた明るいガンマ1.8から、より暗いデフォルトのガンマ2.2に変更したことです。Windowsのデフォルトのガンマ設定である2.2を選択したことで、MacとPCの両方でデザインするデザイナー（もう誰もがそうでしょう？）は、両方のプラットフォームで統一された出力を得ることができます。これは、両プラットフォームのユーザーを満足させようと努力してきた人々にとって、歓迎すべき変化です。 

しかし、なぜ Apple は変わったのでしょうか。そしてさらに重要なのは、なぜ今変わったのかということです。 

Adobe Photoshopのブロガー兼プロダクトマネージャーであるジョン・ナックは、優秀な同僚であるAdobeのプリンシパルサイエンティスト、ラース・ボルグにこの質問への回答を依頼しました。ラースは過去20年間、Adobeでカラーマネジメントソリューションの定義と推進に携わり、近年はデジタルシネマの標準規格に注力しています。ボルグの回答は以下のとおりです。

遠い昔、コンピュータの世界は色彩がなく、荒涼としていて、白黒しか見えませんでした。白黒だけを表示する場合、ガンマは無関係であるため、ディスプレイのガンマを気にする人は誰もいませんでした。

1984年、Macintoshはデスクトップパブリッシングとグレースケール表示のディスプレイを私たちに紹介しました。当時の出版は印刷機を意味し、一般的な印刷機のドットゲインは（当時も今も）ガンマ1.8に相当します。当時はカラーマネジメントは存在せず（最初のカラーマネジメントソリューションが登場したのは、カラーディスプレイがより普及した1990年代初頭でした）、Appleが1.8のディスプレイガンマを選択したことで、Macintoshのディスプレイは印刷機のガンマに合わせることができました。

1990 年代初頭、テレビ業界は、約 2 のネット ガンマを使用する、ITU 勧告 709 として知られる高品位テレビ キャプチャ規格を開発しました。その後、1996 年に IEC は、ネット ガンマが約 2.2 である、HDTV キャプチャ規格に一致する Web 用の CRT ベースのディスプレイ規格 (sRGB) を発表しました。sRGB は、まず PC ディスプレイ市場で徐々に採用され、次に急成長中のデジタル カメラ市場で採用され、2.2 が主流のディスプレイ ガンマになりました。

2.2は究極のガンマ値なのでしょうか？いいえ。2005年、映画スタジオのデジタルシネマ・イニシアチブは、色彩科学の研究に基づき、12ビットシネマ投影において最高の知覚品質を提供するガンマ値として2.6を選択しました。今日では、真のデジタルシネマディスプレイを自宅で購入できる人はほとんどいませんが、いつものように価格は下落しています。そうです、私が次に買うホームシアターには、このガンマ値を選ぶつもりです。

しかし、VHSとBetaMaxの違いを思い出してください。VHSフォーマットは、最後のビデオテープと共についに終焉を迎えました。ガンマ2.2はそう簡単には廃れることはないでしょう。しかし、キャリブレーションされたディスプレイと機能的なカラーマネジメントによって、ガンマはもはや議論の余地がなくなるでしょう。ガンマはラッダイト（反ラッダイト派）の時代となるでしょう。

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