Mac Proはまだ発売を待っているところですが、先代モデルが抱いた高い期待に応えるには、2つの条件を満たす必要があります。(1) 最もパワフルなMacであること、(2) 最もカスタマイズ性の高いMacであること。9to5macは、先週リリースされたXcode 16.4ベータ版に含まれるAppleのiOS 16.4開発者向けディスクイメージに、新しい「ComputeModule」デバイスクラスを発見しました。これは、AppleのモジュラーMac Pro計画における欠けているピースになるかもしれません。あるいは、Apple Reality Proヘッドセット用のプロセッサボックス、あるいはRaspberry Piのようなデバイスになる可能性もあります。詳しく見ていきましょう。

確実にわかっていること

確かなことが3つあります。(1) Compute Moduleは存在する、(2) Compute ModuleはiOSまたはその派生版を実行する全く新しいデバイスクラスである、そして(3) Appleには少なくとも2つの独立したCompute Module（ComputeModule13,1とComputeModule13,3）があり、開発がかなり進んでいる、ということです。これらのデバイスがAppleユーザー向けのものであるとすれば、2023年末までに登場する可能性は高いでしょう。

私たちが望むのは、Mac Proのソリューションです

WWDC2020で、Appleは当時Intelプロセッサのみを搭載していたMacラインナップをApple Siliconに移行する計画を発表しました。この計画はゆっくりと、しかし着実に実現し、Mac Proを除くすべてのMacにApple設計のチップが搭載されるようになりました。Mac Proはやや出遅れたとはいえ、Appleの主力マシンの開発は着々と進んでいます。

今年初め、ブルームバーグのマーク・ガーマン氏は、Apple Siliconを搭載した新型Mac Proは、2019年の再設計時に使用されたのと同じ外装ケースを採用すると報じました。2019年型Mac Proに関する記事をご覧になった方はご存知でしょうが、この筐体は巨大で、Apple Siliconは従来より全体的な占有面積が小さいため、筐体には追加コンポーネントを搭載するための十分な余裕が生まれます。

ユーザーは、ハードドライブ、SSD、I/Oカード、ネットワークカードといった従来の内部アップグレードコンポーネントを期待できますが、外部グラフィックスといった重要な部分については依然として疑問が残ります。AMDやNVIDIAなどのGPU（Boot Camp使用時）を追加できることは、Mac Proの最大のセールスポイントの一つでしたが、Apple Siliconはサードパーティ製GPUと互換性がありません。

Mac Proの拡張性に関する2つの潜在的な答え

したがって、コンピュートモジュールは将来のグラフィックス拡張性に対する答えとなる可能性があります。アップグレードの時期が来たら、従来のGPUの代わりに、新しいコンピュートモジュール（あるいはAppleの精鋭マーケティングチームが勝手に名付けたもの）をモジュラーMac Proに取り付けることができます。これらのモジュールは、グラフィックス性能に特化する可能性があります…

…あるいは、システム全体が簡単に交換できるモジュール式インターフェースに統合されたパッケージになる可能性もあります。Appleが数年後にM3 Ultraを発表した時、ユーザーは新型Mac Proを購入する代わりに、新しいM3 Ultraコンピュートモジュールを購入するかもしれません。そうすれば、古いモジュールを新しいモジュールに交換するだけで、最新かつ最高のパフォーマンスを即座に利用できるようになります。

Appleは、Ultraチップ2つを1枚の巨大なウエハーに統合し、48個のCPUコアと152個のGPUコアを搭載する、いわゆるM2 Extremeチップの構想を断念したと報じられています。Mac Proは、Intel版がInfinity Fabric Linkテクノロジーを介して2つのMPX GPUモジュールを結合しているのと同様に、複数のCompute Modules（コンピュートモジュール）をサポートするようになるかもしれません。

昨年導入されたSwift Distributed Actorsも存在します。これにより、Appleは開発者が他のデバイス上でコンピューティングを活用するためのAPIをより容易に提供できるようになります。Swift Distributed Actorsは、同一コンピューター上であっても、別の「コンピューター」（例えばiOSのバリアントを実行するCompute Moduleなど）上であっても、別のプロセスとのピアツーピア通信を可能にします。

Apple Reality Proのプロセッサボックスになる可能性もある

発表がWWDC2023まで延期されたApple Reality Proヘッドセットは、超高解像度ディスプレイや高度なハンドトラッキングとアイトラッキングといった最先端技術を搭載し、筐体には12個以上のカメラとセンサーを搭載します。また、Apple M2チップを搭載するとも報じられています。Apple Reality Proには、動作に必要な処理能力を提供する別個のコンピュートモジュールが必要になるのでしょうか？

一番面白くない…Raspberry-Piのようなデバイス

あまり面白みのない見通しですが、Raspberry Piはすでに組み込みアプリケーション向けのCompute Moduleという製品を販売しています。ComputeModuleへの言及は、AppleがiOSを同様のデバイスで動作させてテストしていることを示している可能性もあります。

9to5Macの見解

9to5macでは、このコンピュートモジュールが、次期Mac Proのリフレッシュ版における交換可能な「頭脳」の象徴となることを期待しています。Appleの他のコンピューターとは異なり、Mac Proは拡張性を重視した存在であり、モジュールをより強力なものに交換できる機能は、Mac Proユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。

メインのコンピュートモジュールを交換するだけでなく、2つ目のコンピュートモジュールを追加してさらにパワーアップできる可能性は、プロフェッショナルなワークフローにとって非常に有益です。例えば、工場出荷時にM2 Ultraコンピュートモジュールが搭載されているMac Proを想像してみてください。ケースを開けて2つ目のM2 Ultraコンピュートモジュールを追加すれば、さらに並列コンピューティング能力を高めることができます。あるいは、8Kタイムラインレンダリングなどの作業を1つのコンピュートモジュールにオフロードし、もう1つのコンピュートモジュールで別のプロジェクトのカラーグレーディングを仕上げるといったことも可能です。Appleがこの方向に進むとしたら、その可能性は刺激的です。

とはいえ、これらはApple Reality Pro関連製品への言及である可能性も十分にあります。あるいは、全く別の何かかもしれません。皆さんはどう思いますか？ぜひ下のコメント欄でご意見をお聞かせください。

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