iPadではない

ロイター通信は、現在ニューヨーク大学でフェローシップ研究員として研究している中国の反体制活動家・陳光誠氏に関する興味深い記事を掲載しました。彼は機内で追跡・スパイソフトが仕込まれたiPhoneとiPadを支給されていたようです。

数日以内にニューヨーク大学の技術者らがこれらの機器を検査したところ、スパイ活動を行う隠されたソフトウェアが仕込まれていたことが判明したとコーエン氏は述べた。コーエン氏はニューヨーク大学ロースクールでの陳氏のフェローシップを手配し、陳氏が北京の米国大使館に避難した後の米国と中国の外交危機の鎮静化に貢献した。

「この人々は彼を助けようとしていたはずで、秘密裏に彼の通信を監視できるような一種のトロイの木馬を彼に与えた」とコーエン氏は語った。

2人目の情報筋によると、iPadは最終的に清掃され、チェン氏の要請で返却されたという。

NYUは、チェン氏にiOSデバイス（およびその他の電子機器）を渡した活動家ボブ・フー氏の妻、ハイディ・カイ氏を非難している。

2012年5月、中国での自宅軟禁から劇的な脱出を果たし、家族と共にニューヨークに移り住んだチェン氏を最初に訪れた人物の一人が、活動家ボブ・フー氏の妻、ハイディ・カイ氏だった。彼女はiPadとiPhoneをプレゼントとして持参していた。

ニューヨーク大学はiPadとiPhoneを検査した結果、第三者が内蔵のGPS（全地球測位システム）に密かに接続し、実質的にデバイスを追跡装置に変えてしまうソフトウェアを発見したと、2人目の情報筋は述べた。また、技術者らは、コンテンツをリモートサーバーにバックアップする、パスワードで保護された隠しソフトウェアも発見したと、情報筋は付け加えた。

「状況を操作しコントロールし、彼がどんな極秘のアドバイスを受けているかを知りたいという彼らの願望と完全に一致している」とニューヨーク大学のコーエン氏は語った。

もちろんボブ・フーは、これは「007」的なものだとして、容疑を否定している。

ガジェットについて尋ねられたフー氏はロイター通信に対し、陳氏がニューヨークに定住した直後に妻がアップルのデバイス2台を贈ったと語った。フー氏は、中国の地下教会や強制中絶の被害者を支援する「チャイナエイド」というキリスト教団体を運営している。

「スパイウェアの話は初めて聞きました」と、妻がデバイスを届けた当時東南アジアにいたフー氏は語った。彼は、こうした主張を「ばかげている」「まるで007の番組みたいだ」と評した。

「到着後、まず家族に電話したいだろうと分かっていたので、iPhoneやiPadといった通信機器を提供したいと考えました」とフー氏はテキサスから電話で語った。

チェン氏は、中国政府からの圧力によりニューヨーク大学がフェローシップを剥奪したと非難している。中国政府はニューヨーク大学に上海キャンパスの建設を許可している。つまり、事実上、誰もが容疑者なのだ。

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